Research Center for Social Psychology


ニュース

2016年08月17日 07:01

日本社会心理学会第57回大会


日程:2016年9月17日(土)・18日(日)
開催地:関西学院大学西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155)

大会Webサイト
タイムテーブル(概要)プログラム

今大会の設計コンセプトは「研究という愉悦に浸る場」を作ることです.大会ロゴにご注目下さい.クレセント(三日月)は関学のシンボルですが,その両端は交差して広がっています.知の限界を突破する研究がこの場に多く集まりますように,という願いを込めたデザインです.どんなに苦しくつらいことがあっても,研究のことを考えていられる時間さえあれば生きている心地がする,研究者とはそんな性をもつ人間ではないでしょうか.昨今の学術研究を取り巻く環境には様々に厳しいものがありますが,せめてこの2日間はここ上ケ原の地を「学堂」として,熱い議論を戦わせようではありませんか.乾坤一擲の研究を携えた皆様をお迎えする準備を万全に整えてお待ちしております.

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2016年07月11日 08:28

8/8 第11回KG-RCSPセミナー

第11回KG-RCSPセミナーを,下記の通り開催しました.


【日時】2016年8月8日 15時30分~17時30分
【場所】関西学院大学(西宮上ケ原キャンパス) F号館103教室 アクセスマップ キャンパスマップ
【講演者】小林哲郎さん(香港城市大学)
【タイトル】日韓IATの試み:二国間比較実験から 

近年、心理学のみならず政治学にも応用が進んでいる手法に、質問項目に回答を求めることなどによる顕在的な指標では、社会的望ましさ等の影響でなかなか検出の難しい態度(例えば差別や偏見に関わるもの)を測定するIAT(Implicit Association Test; 潜在連合テスト)があります。本報告では、発表者らが開発した日韓両国で行われたオンライン版日本―韓国Brief Implicit Association Test (BIAT)環境について、ナショナリズムや領土問題に関する態度との関連からその有効性について議論されました。

当日は、学内外から17名の参加があり、BIATの有用性や用いられた刺激の妥当性のみならず、研究結果の示す日→韓および韓→日の潜在的態度とナショナリズムや領土問題に対する態度の関係が何を含意しているのかについても、活発な議論が行われました。小林さん、ありがとうございました。

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2016年05月23日 13:22

7/1 第10回KG-RCSPセミナー

第10回KG-RCSPセミナーを,下記の通り開催いたしました.
 
【日時】2016年7月1日(金) 16:00~18:00(予定)
【場所】関西学院大学(西宮上ヶ原キャンパス) 社会学部202教室
【講演者】Dr. Jeffrey Boase (University of Toronto, 関西学院大学社会学部招聘教員)
【タイトル】Mobile Log Data And Personal Networks: A Multi-Method Approach
ソーシャルネットワークとモバイルコミュニケーションについて、従来の自己報告式に依らないさまざまな測定法が紹介され、自己報告式との比較、調査対象者のプライバシーへの配慮、国ごとのコミュニケーションスタイルの違い、膨大なやり取りを人が理解できる形に加工する方法など、多様な議論展開されました。とくに、現在進行中のプロジェクトであるE-Rhythmsプロジェクトにおける、モバイルを通じた人の人のやり取りを音声データに変換するという発想は、興味深いものでした。英語によるセミナーでしたが、Boase先生の授業の受講生やカナダへの留学に興味のある学生を始めとする学部生たちもセミナーに参加しました。
 

 

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2016年05月22日 09:37

6/17 第9回KG-RCSPセミナー

第9回KG-RCSPセミナーを,下記の通り開催いたしました.
 
【日時】2016年6月17日(金) 15:10~17:10(予定)
【場所】関西学院大学(西宮上ヶ原キャンパス) F号館 303教室
【講演者】高橋英之さん(大阪大学大学院 基礎工学研究科)
【タイトル】みえない心を感じ取る心 -ロボットを用いた認知科学的アプローチ-
他者の心を感じ取り,それに配慮した行動をとることは社会生活を送る上で必要不可欠な能力だと考えられています.その一方で,みえない他者の心というものを客観的に計測することは不可能であり,我々の脳は様々な情報を統合することで他者の心を想像しながら社会的な反応を生成します.すなわち他者に感じる心というものはすべて脳が作り出した幻想と言えるでしょう..このような他者の心の幻想性はしばしば存在しない心の知覚を引き起こします.当日は,心の幻想性を示すロボットを用いた実験事例が豊富に紹介され,さらにその議論の延長として,みえない心を感じることが我々の社会をどのよう豊かにするのか,宗教やモラル,幸福感や愛などのテーマと絡めて,縦横無尽な議論が展開されました.

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2016年04月25日 07:00

5/27 第8回KG-RCSPセミナー

第8回KG-RCSPセミナーは,第19回政治コミュニケーション研究会との共催で,下記の通り開催しました.

【日時】2016年5月27日(金) 16:00~18:00
【場所】関西学院大学(西宮上ヶ原キャンパス) 社会学部棟 202教室
【発表者】秦正樹さん(関西大学)
【タイトル】若年層における候補者選択の基準:候補者の「見た目」と「政策」に注目したサーベイ実験より
 
当日は学内外から、13名の方にご参加いただきました。私たちは選挙において候補者を評価する際、ヒューリスティクスやキューと呼ばれるてがかりを用いていることが知られています。18歳選挙権の問題が社会的な注目を集める中、本日の研究会では若者が候補者を判断する際に「見た目」というてがかりがどのように機能しているのかということを検証するサーベイ実験の結果が紹介されました。今年3月に行われた実験であり、まだまだ発展途上の研究でしたが、同じ「若者」といっても16-19歳, 20-24歳, 25-29歳では候補者を評価する過程が異なっており、たとえば、16-19歳においては、若い見た目の候補者が訴える場合には政策内容に基づいて自分の利益につながる政策を見極めることができるが、高齢の候補者が訴える場合には、政策の違いを見抜きにくくなるといった知見は、今後興味深い研究へと繋がっていく可能性があると思います。発表後の質問・コメントの時間には、社会心理学・政治学・社会学の先輩研究者の方々から容赦のない愛の鞭が飛び交いましたが、これも、研究会の醍醐味のひとつかと思います。秦先生、参加者のみなさまありがとうございました。(文責・稲増一憲)

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