Research Center for Social Psychology


ニュース

2016年03月31日 06:57

論文公刊

センターメンバーによる以下の論文が『メディア・情報・コミュニケーション』誌に掲載されました.第6回KG-RCSPセミナーで紹介した統計分析フリーソフトHADに関する技術資料です.今後のご研究でHADをご活用いただいた際は,是非この論文を引用して下さい.

清水裕士 (2016). フリーの統計分析ソフトHAD:機能の紹介と統計学習・教育,研究実践における利用方法の提案. メディア・情報・コミュニケーション研究, 1, 59-73.

HADはMicrosoft Excelで動く心理統計分析用のソフトウェアであり,基礎的な分析から,多変量解析まで数多くの分析をGUIで行うことができる。HADはWebからソフトウェア,操作方法についての資料が無償で利用可能であるので,学生や大学教員などが研究や教育現場で活用することが期待できる。本論文では,HADの分析機能の紹介に加え,HADを統計学習ツール,統計教育ツールとしての活用方法と機能について紹介した。最後に,HADによる研究活動における探索的分析ツールとしての利用方法の提案と,利用上の注意点について論じた。

キーワード:心理統計学,フリーソフトウェア,HAD,統計学習,統計教育

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2016年03月28日 11:48

論文公刊

センターメンバーによる以下の論文が掲載された「社会心理学研究」が公刊されました.

稲増一憲・三浦麻子 (2016). 「自由」なメディアの陥穽:有権者の選好に基づくもうひとつの選択的接触. 社会心理学研究, 31(3), 172-183.

有権者に多くの選択肢を与えるインターネットの普及は、党派性に基づく選択的接触研究への注目を高めたが、実際には党派性に基づきメディアを選択する者は少ない。一方、選択肢の増加に伴う偶発的・副産物的ニュース接触の減少により、娯楽・ニュース志向という有権者の選好が直接接触に反映され、政治・国際ニュースについての知識の差が拡大する選択的接触については、党派性を持つ有権者が少なくとも起こる。本研究は、この選択的接触に注目し、インターネット上のサービスが選好に基づく知識の差を拡大するのか縮小するのかについて検証した。オンライン調査による検証の結果、選好に基づく知識の差の縮小に貢献すると考えられるのは「ポータルサイト」「新聞社サイト」「2ちゃんねるまとめサイト」、差を拡大すると考えられるのは「ニュースアプリ」「Twitter」であった。考察において、今後予想されるメディアの変化に対する本研究からの示唆が議論された。
 
キーワード:インターネット、選択的接触、メディア環境、娯楽志向、政治知識

 

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2016年02月24日 10:58

3/23 第7回KG-RCSPセミナー

「社会性の炙り出し方:ミニマリストアプローチとインクルーシブアプローチ」

日時 2016年3月23日(水) 15時~17時
場所 関西学院大学西宮上ケ原キャンパス F号館104教室
講演者 渡邊克巳さん(早稲田大学基幹理工学部・教授)
当日は学内外から23名のご参加をいただきました.社会心理学でよく扱われる,例えば「社会的手抜き」のような複数名の人間の「集団」において特有とされる現象に何が寄与しているのかを探るミニマリストアプローチによる研究事例をご紹介いただいた後,社会現象を包括的に捉え,多彩なデータの収集と統合的な解析を通じてアプローチするインクルーシブアプローチが紹介されました.特に,(プロ)スポーツのような真剣勝負の「本気の現場」でデータをとることの面白さがとても印象的でした.また,研究は「当事者・研究者・制作者・個人がやりたいことがあるからやる」という言葉も心に残りました.渡邊先生,ありがとうございました.

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2016年02月24日 08:41

2/25 第6回KG-RCSPセミナー

統計への苦手意識をなくす教育:フリーソフトHADを利用した教授法の習得
 
日時 2016年2月25日(木) 10時~17時
場所 関西学院大学上ケ原キャンパスF号館104教室(当初告知から変更しました)
講師 清水裕士(関西学院大学社会学部;センター研究員)
後援 関西学院大学教務機構高等教育推進センター
 
 
当日は学内外から52名のご参加をいただきました.効果的なセミナーの実施と教室の収容定員の関係で,10名以上の方々の参加をお断りすることになってしまいました.心からお詫び申し上げます.
 
HADに関する詳細は清水のWebサイトをご覧下さい.

 

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2016年02月10日 05:50

2/23 第5回KG-RCSPセミナー

標記セミナーを開催しました.学内外からの多くのご参加をいただきました.
 
【日時】2016年2月23日(火) 15:30~17:30
【場所】関西学院大学(西宮上ヶ原キャンパス) 社会学部棟 202教室
【発表者】鈴木謙介さん(関西学院大学)
 
 
政治を対象にした研究のアプローチは広いですが、報告者はこれまで政治と社会学の境界領域として、政治思想の研究を進めてこられました。この分野では過去20年ほど、「再帰的近代化論」と呼ばれる社会学理論を援用しながら、現代に特有の課題を理解し、政治の役割を明らかにする試みが続けられています。今回の報告では、再帰的近代化論の基本的な枠組みを紹介しつつ、なぜ「政治」が現代において課題となるのかについて問題提起が行われました。
 
鈴木先生,どうもありがとうございました.

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