Research Center for Social Psychology


3/31 第14回KG-RCSPセミナー

2017年02月28日 09:33

第14回KG-RCSPセミナーを,下記の通り開催いたしました.

【日時】2017年3月31日(金)15:30-17:30
【場所】関西学院大学大阪梅田キャンパス1408室
【講演者】清水裕士・稲増一憲(関西学院大学社会学部)
【タイトル】政治的態度の母集団分布を推定する

今回の研究会では,これまで単項目による政治的イデオロギーの測定によって行われることが多かった政治的態度の計量について,新しい手法を適用する試みが報告されました.具体的には,1.いくつかの政治的争点に対する意見からイデオロギーを展開型項目反応理論で推定する、2.機械学習の手法を援用することで態度得点の事前分布をデータから自動的に学習する、つまり政治的態度の母集団分布の確率密度関数を推定する、3.アンカリングヴィネット(係留寸描)法によって調査対象者の回答傾向を推定・補正し、より純度の高い態度の推定を行う、といった手続きによって,より正確な政治的態度の母集団分布の推定を試みるものです.これまでの測定には大きな問題があると考える根拠,推定に際する前提となる統計的分布に関する解説などが詳しく丁寧になされた後に,データによる検証結果が示されました.これまでの分析が仮定していた正規分布を大きく逸脱した母集団分布が推定されたことは,今後の政治心理学研究に新たな展開をもたらすものと期待されます.(報告・三浦麻子)

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